2006年 11月 07日
なんといっても気に入ったのが登場人物のファッション。仕立ての良いスーツを着こなすジョシュ・ハートネット扮するバッキーとアーロン・エッカート扮するリーがほんとにかっこよかった。スカーレット・ヨハンソンの40年代のクラシックなファッションと赤い口紅が似合う。これでほんとに20代前半とはとても思えんのだなぁ、この色っぽさ。顔は「ゴースト・ワールド」の頃とあんまり変わってないけどねぇ。
この映画を観て感じたのは、40年代のアメリカの繁栄とその反対の闇、人間の裏と表。黒髪で黒い服を身にまとうマデリン役のヒラリー・スワンク(この人もめちゃキレイ)と金髪で白い衣装のスカーレットとでこの2人の女性像もうまく対比できていたなぁって思う。その間を行き交うバッキーがなんとなく切なかった。というかバッキーは、この物語の中では言わば狂言回しのような役割なのかもしれないけれど、すさんだ闇の世界に関わり、真実が明らかになって苦悩する彼の姿に思わず共感してしまうのだった。
「L.A.コンフィデンシャル」のように、派手な撃ち合いのシーンは少ないけど、デ・パルマが尊敬していると言うヒッチコックばりの、リーが殺されそうになるサスペンスフルなシーンはホントに怖くて顔がこわばってしまった。ここがこの映画のキモですね。
一見何も関係ないかのように見える事件や人間関係が思わぬところで繋がっていくんだけど、原作読んでないので、いまいち人間関係がきちっと掴めなかったのが、ちびっと自分的に歯がゆかった。人間関係を説明するセリフを飲み込めなかったというか。
現代ものの犯罪映画と違って高級で濃厚なアイスクリームやワインのような感触の映画だなと思う。テイストはけっこう退廃的であるけれど、初めて見た昔のハリウッド映画のようになにかウェルメイドな映画らしい映画。やっぱもう一度観たい。
で、実際あった「ブラック・ダリア事件」もどういう事件だったのか興味深深なのだが、「ブラック・ダリアの真実」という本があるらしい。アマゾンのカスタマーレビュー読むと小説より事実の方がもっと凄いらしい。これも読まねば~
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by chloe7513
| 2006-11-07 22:07
| cinema